私のお気に入りのつけめん屋さんにマーケティングの視点から提案

店主さんには余り時間が無い様なので、マーケティングをカジっている者として提案してみたいと思います。チャーシュー騒動の頃のブログを全部見たわけでは無いので、既に十分論議されていたり、解決済みでしたら申し訳有りませんが、チャーシューの脂身を少なくするという方向が店主さんの目指すべき方向と間逆では無いかと疑われるので・・・なにぶん個人の意見ですので、見当違いの事も多いでしょうが少しでも拾う所があれば幸いです。
提案内容は、なにか変更したいと思ったら客に選択肢を提供できないか?という物です。
たとえばチャーシューを変更したいとき、一定期間でいいので2種類用意してどちらか選択できるようにします。
麺やチャーシューを変えるのはより多くのお客さんの満足度を上げる為というのは判りますが、問題はその選択が本当に多くのお客さんを満足させるものかどうかです。それに関しては店主さんも悩むところでしょう。しかしそれはいくら考えても答えは出ません。試す以外無いのです。そしてその結果を的確に取得&判断するしか無いのです。
例えばチャーシューですが、残す人が多いというのは判りますが、残さない人の方が多いハズです(笑) 誰も残さない=全員が満足している では無いでしょう。民主政治はより文句が少なくなるように働きますが、経済はより多くの人が満足するように働きます。それはネガティブな選択とポジティブな選択の違いです。特にラーメン屋というのは無責任に意見する人が多い様で、客の意見を良く聞く店ほど個性を失い、ひっそり消えていきます。
また「多くの客」という定義の仕方もいろいろで、例えば田舎と都会とではまるで逆になります。
田舎ではあらゆるタイプの客を満足させるという事がそれに当たります。家族で「どの店行く?」となったときにどうなるか考えれば判ります。ネガティブ要素の無い無難な店が選ばれるでしょう。政治と同じです。
しかし東京の様な場所は全く逆です。ラーメン屋がいくらでもあり、また他の外食も山ほどある中でそこを選んでもらうには、逆の様ですがマーケットをいかに絞るかが重要です。都会ではむしろそれが「多くの客」獲得につながります。しかも前者と違い提供者のモチベーションも高く保てるでしょう。客は他では味わえないものを求めて来る客ばかりなのですから。
一般的につけめん屋の最重要ターゲットとは男性でしょう。10代〜40代ぐらいでしょうか。そういう視点から見るとチャーシューの脂身を減らすという行為がどう考えても矛盾している様に思えるのです。もちろん、全てを突出させる必要は無いわけで、具は無難路線で麺とスープを突出させてるのかも知れませんから、もしそうなら見当違いなわけですが・・・
客商売は、率直な意見をいかに多く適正に汲み取れるかだと思います。クレームはもちろん客商売では大事なマーケティング要素ですが、その中の役立つ物はほとんどすべてネガティブな情報です。客の直接の意見やアンケートなどでは「待たせすぎ、水をもっと早く出せ、いつもよりスープが薄い、麺が硬すぎ」のような有用なネガ情報を多く得られるでしょう。逆にそれらに「チャーシューがすごくうまかった」などとあっても、店主のモチベアップにはなりますが、客をより満足させるための役にはたちません。
使えるポジティブな情報を得る為に客には選択させるのです。
意見を言わない客でも2種類あればより満足度の高い方を選択します。しばらく売り上げを見ればどちらがより客を満足させるものかが判るでしょう。まあ麺に関しては客の意見うんぬんではなく店の色を出すためにやった事の様に思うのでアリとしても、チャーシューに関しては試す価値はある様に思います。